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貸してとお願いしていない「かしものかりもの⑤」

前回のブログでは、「かりもの」だからこそ、大切に使い続けられるのではないかということを書かせていただきました。

いよいよ今回で、第一回のお話し会「かしものかりもの」の内容は最終回ということで一区切り。

 

いろいろなものが神様からの「かりもの」であるということはわかりましたが、今回のブログでは、大前提としてのある疑問について。

それは、「かしもの」であるはずなのに、私たちは誰も神様に「貸して」とお願いしていないということです。

 

普通は、「鉛筆忘れちゃった、ちょっと貸してくれない?」「いいよ」というやり取り。

「貸して」「いいよ」というやり取りがあって初めて、「貸す」ということが成立するように思います。

しかし私たちは誰も、神様に「貸して」とお願いしたことがないのです。

 

このことについて、私にはある経験が頭に浮かびます。

私は皮膚が弱く、冬になるとあかぎれで指が切れたり、かかとがひび割れたりということがよくあります。そんな世間話をしていたあるとき、ある方が「この薬が良く効くから使ってごらん」と、薬を貸してくれました。

実際にその薬を塗ってみると、効果てきめん!今ではその薬を自分で買ってまで愛用しています。

 

しかしこの時、私はその方に「薬を貸して下さい」とは一言もお願いしていません。でも薬を貸してくれたんです。しかも私にピッタリの薬を。

そう考えると、お願いされていなくても、「これを貸せば、きっとこの人の役に立つだろう」と思って貸す場合があるということに気がつきます。しかもこういう貸し借りの場合は、貸す側の方の相手の事を思いやる気持ちが、より多く乗っかっているようにも思います。

 

つまり「かしものかりもの」は、神様が、私たちそれぞれにピッタリの身体と環境を、親心たっぷりに貸して下さっているということなのではないかと思うのです。そう考えるとき私は、嬉しいことはもちろん、不本意なことが起こったとしても、これもきっとちょうどいいものを貸して下さっているんだよね!とちょっと目の前の事から一歩引いて、その中にもきっと隠されているだろういいところ探しが出来るような気がします。

 

以上、この素晴らしいお道の教えが、皆様の生活の中に活き、よい「にをい」となることで、良い仕合わせへとつながってゆくことを願いまして、今回の「かしものかりもの」関連ブログの一区切りとさせていただきたいと思います。お付き合いありがとうございました。

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